BIRD-WATCHING AT FISH POND - Apr. 2004 -
「養魚池で探鳥」
ハワイでハイキングをする時に、 ただ景色を眺めるだけではなく、道端の植物や鳥を眺めるのもいいものです。 気が付かずに通り過ぎてしまった鳥や草花は、 実は、絶滅寸前の希少なハワイの固有種だったりすることもあるんです。
ホノコハウ港へ
カメハメハ大王の遺骨が埋葬された、という話もある、カロコ・ホノコハウ国立歴史公園は、コナ空港の南にあります。 コナ空港からカイルア・コナまで、通り過ぎてしまうことの多い場所ですが、この国立公園内はたくさんのヘイアウやペトログリフ、橇すべりのために作ったスライダーの跡、などが残っています。
カロコ・ホノコハウ国立歴史公園へのアクセスの方法はいくつかあるのですが、私たちはホノコハウ・ハーバーから公園内へ向かいました。 ホノコハウ・ハーバーは小さなマリーナです。 トローリングのボートなどが、この港から出航しています。分かれ道を右に曲り、行き止まりにある駐車場を利用しました。車内には、貴重品などを残さない方がいいようです。
駐車場から海に向かって右側に、トレイル路が延びています。 背の高い草むらの間を歩いていくと、何匹ものマングースが道を横切るのを見かけました。 現在では、マングースはカウアイを除くほとんどの主要なハワイの島に生息しています。農作物を荒らすネズミの天敵としてマングースは放されましたが、夜行性のネズミと昼間活動するマングースでは、滅多に出会うこともなかったようです。 代わりに、乱獲で数の減った鳥とその卵が、マングースの大好物になってしまいました。
マングースは私たちと目が合うと、慌てて草むらに走りこんでいきます。 「そんなところに逃げても、いるのは分かっているぞ!」 「キー!」 「カワイイ鳥の卵を食べているんでしょう!!」 「キキー!!」 マングースとそんな会話をしつつ、トレイルを海へと向かいました。
'AI'OPIO BEACH 海の手前の林を抜けると、そこは美しい湾になっていました。アイオピオ・ビーチです。
(たぶん復元された)ハワイアンの漁師小屋まである、静かな入り江です。溶岩に囲まれた白砂のビーチと浅い海は、小さなお子さんがいっしょでも安心して遊べそうです。
アイオピオ・ビーチの前の海は、フィッシュ・トラップになっています。古代ハワイアンは、ここに小さな魚を追い込んで、育ててから食べていました。ビーチの名前のアイオピオとは「若い食べるためのもの」という意味があります。 フィッシュ・トラップを挟んで南側には、ヘイアウと養魚池もあります。小さな椰子が日陰を作り、静かで気持ちのいいビーチです。
この日は大変天気がよく、まさに海水浴日和。でも、このビーチにはあまり人がいません。ああ、泳ぎたい・・・でも、ここに来たのは別の目的があるのです。 アイオピオ・ビーチに後ろ髪を引かれながら、北へ向かいました。
'AIMAKAPA FISHPOND
ビーチから北は、すぐに岩場になっています。溶岩が流れた跡がそのまま海岸線を作っているようです。 海岸沿いに生える木に沿ってトレイルが続いているので、日陰を選んで歩きます。 歩き出してすぐに、岩場で海鳥がエサを探して歩いているのを見つけました。キョウジョシギ(写真右)です。ハワイ名を’AKEKEKEと言い、ハワイには越冬に来る渡り鳥です。 岩の間を注意深く探って、なにかエサになるものを探しているようです。
500mほど歩くと、大きな池が見えてきました。ここが目的地のアイマカパ・フィッシュポンドです。ここでは、ハワイ固有の鳥を見ることができるそうですが、どうでしょうか・・・。 「あ!アラエ・ケオケオだ!」 すぐにアラエ・ケオケオを見ることができました。2羽よりそって泳いでいます。一羽が小さめなので、親子でしょうか? 「あっちには、アエオがいる!」
池に近いところにはアエオがエサを探していました。せっかく、のんびりしている鳥たちを警戒させてはいけないので、草むらに隠れるようにして観察します。うーん、だからバードウォッチャーは迷彩テントを使うのか。
この2種類とも、絶滅を危惧されているハワイの固有種です。今回は見ることができませんでしたが、カイツブリの営巣がハワイではこの養魚池のみで確認されているそうです。 アイマカナ・フィッシュポンドをはじめ、ハワイの養魚池は現在は使われていないところがほとんどですが、鳥探しには絶好のポイントになっています。
穏やかなアイオピオ・ビーチ
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