GARDENS IN BIG ISLAND - Apr. 2004 -
「ビッグ・アイランドのガーデンに行く」 <エイミー・グリーンウエル民族植物園>
ハワイ島で繰り返し行く場所になった、ガーデンを紹介します。 ガイド・ブックにもほとんど紹介されていないけれど、 ハワイの固有植物のファンには見逃せません。
AMY B. H. GREENWELL ETHNOBOTANICAL GARDEN
エイミー・グリーンウェル民族植物園は、ハワイ島コナの南、キャプテンクックにあります。 ママラホア・ハイウェイ(11号線)沿いにあるのに、この道を何度も通った方でも、植物園があったという印象が薄いようです。
それもそのはず、植物園はハイウェイから見ると一般の民家か、農園のようにしか見えません。美しい植物が園を飾っているわけでもなく、豪華なエントランスもありません。オシャレな造園もしていない、一見荒れた庭のようなこの植物園は、私にとって宝箱のような場所です。
園の名前になっているエイミー・グリーンウェルは、コナの牧場主の家族の一員でした。彼女は、民族植物について研究し、考古学者や植物学者と、いっしょにフィールドワークも行っていました。彼女の死後、ガーデンはビショップミュージアム に寄贈されました。 現在も園はビショップミュージアムに帰属し、入園料は寄付という形をとっています。
ハワイ固有植物の宝庫
ハイウェイから細い坂道を上がっていくと、植物園の駐車場と事務所の前に出ます。寄付金は事務所で払うか、事務所前に設置されたボックスに入れるようです。 植物園には、ハワイ固有植物とポリネシア人がハワイへ運んできた植物が植えられています。
ハイウェイに近いところから海岸沿いの植物のエリア・乾いた低地の植物のエリア・農作物のエリア・ハワイアンの作った石壁「KUAIWI」の保存エリア・高地の植物のエリアに分かれています・・と、言ってもはっきりした境界線があるわけではなく「だいたいここら辺が農作物エリアかなー、タロが植わっているし」という感じです。
さて、’04年にゆっくり時間を作って、ガーデンの隅から隅まで歩きました。 まずは、事務所で寄付金を差し上げます。一人$4という目安が設けてあるので、なんとなく気が楽です。スタッフの男性が「質問があったら、遠慮なく聞きに来てね」と仰ってくださいました。
ガーデンは、蚊が多いので持参の蚊よけスプレーを手足にかけてから植物観賞に出発です。 「私、黄色いレフアが見たいんだよね、おおっ、いきなり黄色いレフア!」 レフアは「赤」というイメージですが、黄色や白のものもあります。でも、自生しているオヒア・レフアで赤以外のものはなかなか見つけられません。 「うーん、黄色いレフアがいっぱいだあ、あとサンダルウッドがみたいし・・・おおおおっ、これはサンダルウッド!!」 やらせのような展開ですが、本当に次から次へと「みたいハワイ固有植物」が現れます。 私はここで栽培されているイプも初めて見ましたし、ククイの花やハワイ原生種のハイビスカス、コアやハウなどのハワイアンの文化に深く関係した植物も見ることができました。
「サンダルウッドってなかなか見られないよね。ああっクモの巣が〜」 植物に夢中になってしまって、クモの巣にひっかかってしまいました。クモの中には人間を刺すものもいるそうなので、注意しないと。このガーデンは、雑草もかなり元気なので、ちょっと山歩きをしているようです。 欧風の整備されたガーデンを期待される方には、期待はずれかもしれませんが、ハワイの固有植物が好きな私にとっては、何時間でも楽しめる秘密の花園のような場所です。
ハワイの州花、マオ・ハウ・ヘレ
|