PART1(A〜C) PART2(G〜H) PART3(I〜J) PART 5(N〜P) PART6(S〜U) KANAWAO Hawaiian Name:Kanawao,Pu’ahanui
ハワイ固有種のカナワオは、雨林に生育するアジサイの仲間。300mから2000mの高地にも生育する珍しい種類です。 カナワオは白っぽい緑の雄花と、ピンクがかった緑の雌花があります。古代のハワイアンは「Kanawao ke’o ke’o(白いカナワオ)」 「Kanawao ’ula ’ula(赤いカナワオ)」と呼び分けていました。 私たちがよく日本でみかける、園芸種のアジサイの多くは結実しませんが、カナワオは結実し、その赤い小さな実はハワイの小鳥達の好物になっています。 私がカナワオを見たのは、カマコウ自然保護区とアラカイ湿原でした。日本で見るアジサイに比べ、花も小さく地味な感じがしますが、森の中でひっそりと咲いている姿は可憐です。 古代のハワイアンはカナワオを薬用として使いました。子供の欲しい女性が、鶏卵といっしょに調理して食べたりもしたようです。 ハワイのほとんどの島で見ることができたカナワオですが、豚やヤギの食害にあって数を減らしています。
<写真の撮影場所>カウアイ島:アラカイ湿原/モロカイ島:カマコウ自然保護区
KOA Hawaiian Name:Koa
ハワイ原生種のひとつである、コアはその美しい木目で、絶滅寸前まで切り倒されました。現在は、例え倒木であっても、コアを伐採することは禁じられている、と聞きます。 コアはアカシアの仲間で、捩れた堅い幹を持ち、木材にすると美しい光沢を帯びます。現在は家具やウクレレに使われますが、古代ハワイの人々は、水のなかで何年使っても歪まないコアの材質を、カヌーやサーフボードとして用い、樹皮はタパを染めるために、葉は薬用にしていました。 かつて、コアはカホラヴェとニイハウ以外の、主なハワイの島々の1000から6000フィートの間で普通に見ることが出来ました。生育状況が良い場合、20mを 超える大木になり、幹の太さも15mにもなるそうです。 コアは、小さい黄色い花をつけ、葉は豆の葉のような細かく分かれた葉と、細長い一枚の分かれていない葉があります。コケエのトレッキングツアーで教えていただいたのですが、生育状況が良い時には、豆の様な葉の形になり、生育状況が悪化すると、細長い葉の形になるそうです。高さがまだ1mくらいのコアでは、この2種類の葉を同時に持っているものがあります。 コアはまだ小さいうちに、牛や山羊などの食害にあうため、自然にはなかなか増えない状況にあります。保護区が作られ、植林が進んでいますが、かつての大木の森を作るには、まだまだ時間がかかりそうです。
<写真の撮影場所>カウアイ島:ワイニニウア・トレイル/ハワイ島:キプカ・プアウル・トレイル KUKUI Hawaiian Name:Kukui/English Name:Candle Nut Tree
ハワイでは、遠くからも銀白色がかった緑で、ククイの林を判別することが出来ます。ククイの林は、谷間の川に沿って広がっていることが多いようです。 ククイはハワイ州の木であり、モロカイ島のレイもククイの花です。 このことから分かるように、ククイはハワイアンにとって特別な植物のひとつです。 ククイはハワイ原生種ではなく、原産地はマレー半島と言われています。太平洋地域に分布し、初期にハワイに移り住んだポリネシア人が、カヌーに乗せてきた植物のひとつというのが、一般的な説です。
ククイの種子は油分が多く、燃料として使われていました。ククイの実はそのままでも燃えますが、実から絞った油でカパを灯芯にして灯りを点しました。このククイ油は、19世紀には年間 3万8千リッターも輸出されていたようですが、鯨油に取って代わられました。英語名のキャンドル・ナッツも、ロウソク代わりに使われていたことから由来します。 燃料以外にも、実を焼いて砕いたものは調味料として使われます。現在でも、塩と混ぜたイナモナという調味料がハワイでは使われています。薬用としても多 く使われ、実を潰した汁を下剤として使ったり、樹液を皮膚病の薬として用いたりしました。ククイを焼いた灰で刺青をしたり、樹皮をタパを染める染料にしたり、油をニスとして木工品の仕上げに使ったり、木でカヌーを作ったり、と 、ククイはハワイアンの生活に密接に結びついていました。 また、木製のサーフボードを使っていた時代は、ボードにククイオイルを塗って防水効果を得ていたようです。 ククイに纏わる伝説もたくさんあります。カフナ(神官)たちは、呪術の儀式にククイナッツを使いました。咀嚼したククイナッツを海に吐き出すと、海が静まって魚をみつける窓を作ると言われています。メネフネたちはククイナッツで作ったコマを回して遊んだそうです。 ククイの種子を使ったレイは、ハワイのお土産店でもよくみかけますが、ハワイ滞在中にククイの実を拾って、自分で作ってみてもいいですね。
<写真の撮影場所>ハワイ島:エイミー・グリーンウェル民族植物園 LILIKOI Hawaiian Name:Liliko’i/English Name:Passionflower,Passionfruit/和名:クダモノトケイソウ
パッションフルーツは南米が原産。ハワイへはオーストラリアを経て19世紀後半に渡ってきました。 ハワイでリリコイと呼ばれるのは、マウイ島のハイクにあるリリコイ峡谷に、始めに根付いたから、ということです。 パッションフルーツの『パッション』とは、キリストの受難を示す言葉です。布教活動の際にキリストの受難の象徴として、この花を用いたそうです。 三本の柱頭はキリストが十字架に打たれた釘、五本のオシベはキリストが受けた五つの傷、花弁とガクを合わせた10という数字は10人の使徒を、副冠(花弁の上の糸のようなもの)は、キリストに被せられたイバラの冠だとも、後光だとも言われています。また弦はキリストを討ったムチ、花の白は純潔・青は天国、などありとあらゆる部分が象徴に使われています。 ハワイでは、パッションフルーツというよりも、リリコイという名前の方が一般的です。
<写真の撮影場所>カウアイ島:NTBGヴィジターセンター近く LOKELANI Hawaiian Name:Lokelani/English Name:Rose/和名:バラ
ハワイ諸島の8つの島々には、それぞれにシンボルとされるレイがあります。 その中でマウイだけが近代にハワイにもたらされた植物を使ったレイを、シンボルにしています。それがロケラニです。 ハワイ語でLOKEは薔薇、ラニは空、天、天国などの意味を持ちます。つまり、「天国の薔薇」。 ロケラニという種類があるのか、というと、どうもそうではないようです。 近代に入って、宣教師やメインランドから白人が移り住むと、ニューイングランド様式の家を建て、薔薇を庭に植えました。特にピンクのダマスクス・ローズが愛されたと言われています。 また、アジアから移住した人々も、故郷から薔薇を運んできました。それらの薔薇は、マウイで人気が高くなり、人々は「マウイ・ローズ」と呼んでいたそうです。ピンクのダマスクス・ローズやコテージ・ローズをロケラニと呼んだらしいのですが、現在マウイのレイとして使われる薔薇は、小ぶりのピンクの薔薇を羊歯と合わせることが多いようです。
<写真の撮影場所>ハワイ島:ボルケーノ English Name:Lollipop plant,Golden Candle/和名:ウコンサンゴ
学名のパキスタキス・ルテアの方が、日本では通名のようですが、ロリポップ・プラントというかわいい名前をを持つ花です。 中南米が原産で、ハワイには1970年代に入ってきました。中心の黄色い所は苞で、外へ飛び出た白いものが花です。 同じキツネノマゴ科のシュリンプ・プラントに良く似ていますが、シュリンプ・プラントよりも苞が短く、真っ直ぐ立っており(シュリンプ・プラントはエビの様に湾曲している)、葉が大きい点が違います。 ハワイでは庭木などに使われているようです。
<写真の撮影場所>ハワイ島:ハワイ・トロピカル・ボタニカルガーデン
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