part 2

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GINGER

 

ハワイで「Ginger」と、呼ばれる植物は、ひとくくりにしてしまうには、原産国も性質も、そして種類さえも違います。古代ハワイアンが生活に使っていたもの、観賞用として持ち込まれたもの、そして現在、原生種を駆逐する勢いでハワイの森に広がり有害植物とされているものまで、様々な「Ginger」があります。


GINGER, BLUE

English Name:Blue Ginger/和名:コダチムラサキツユクサ

 

ジンジャーの名前が付いていても、実はツユクサ科のブルー・ジンジャーはブラジルが原産。ハワイでは、観賞用としてホテルの庭や植物園、民家の庭先で見ることが出来ますが、野生になって森の中で咲いているものも、しばしば見かけます。

2m近い高さにまで育ち、夏から秋にかけて花をつけます。

空港などで、お土産用の消毒済みの株を売っています。うまく越冬すれば日本でも育てることができるようです。

 

<写真の撮影場所>カウアイ島:モア・ガーデン

 


GINGER, KAHILI

Hawaiian Name:’Awapuhi Kahili/English Name:Kahili Ginger/和名:キバナシュクシャ

 

ハワイの森をトレッキングしていて、ふいにカヒリ・ジンジャーの群生地に出てしまい、ぎょっとする時があります。

カヒリ・ジンジャーはヒマラヤ地方の原産。1mから2mほどに育ち、海沿いから海抜1700mまでの地域で生育します。

「カヒリ」とは、先端を羽で飾ったハワイの儀式用のポール(日本の毛槍をまねたものとも言われる)のことです。

観賞用として人気があったため、持ち込まれたものが、わずかな間に広まってしまいました。小さな種が鳥によって撒き散らされるほか、人間の靴や衣服に付いて移動もするようです。また、小さな根からも再生することができる強い生命力を持っています。

このカヒリジンジャーは、群生となってはびこり、原生林に壊滅的な打撃を与え、原生種の植物を絶滅の危機に追いやっています。国際自然保護連合が発表した、「世界の外来侵入種ワースト100(動植物含めて100) 」にもストロベリーグアバとともに名前を連ねています。

これらの植物の種を撒き散らかさないよう、トレッキングを始める前には、靴底の土を払うことが大切です。このカヒリ・ジンジャーの種を売っているそうですが、育てるのは止めましょう。

 

<写真の撮影場所>カウアイ島:ベリー・フラット・トレイルワイニニウア・トレイル


GINGER, RED

Hawaiian Name:’Awapuhi ’Ula’ula/English Name:Red Ginger

 

かわいらしいピンクジンジャー

今やハワイを象徴する花の一つになったレッド・ジンジャーは、西太平洋地域が原産。

赤い重なった花びらに見える部分は「苞(ホウ)」で、この間から白い小さな花が咲きます。海抜500m以下の地域で生育します。

ハワイには1928年に紹介されました。観賞用として庭木にされる他、レイにするのにも人気があります。

改良種のピンク・ジンジャーは、だいぶ後になってからハワイでも栽培されるようになったのですが、こちらも人気が高い花です。

 

<写真の撮影場所>カウアイ島:グアバ・カイ・プランテーションモア・ガーデン


GINGER, SHELL

Hawaiian Name:’Awapuhi Luheluhe/English Name:Shell Ginger/和名:ゲットウ(月桃)

 

シェル・ジンジャーは東南アジアの原産。

観賞用として、ハワイに紹介されましたが、道路わきの草地などに生えているものもみかけます。

左の写真もハワイ島のポロル・バレー付近に自生していたものを撮影しました。

ハワイ語名の「luhe」は「droop(たれる、うなだれる)」という意味があり、花の形状を示しているようです。

カウアイ在住の方から、昔、カウアイ島ではリフエからコロアまでの道(現在の50号線)沿いに、ずっとシェル・ジンジャーが植えられていて、とても美しかったらしい、という話をお聞きしました。他の島から来たお嫁さんが、シェルジンジャーが咲き乱れるカウアイの道を通って「なんてキレイな所だろう」と思った、という素敵な話を教えて頂きました。現在でも、50号線をリフエから南下するときに、注意して沿道を見ていると、深い草にまぎれてシェルジンジャーが咲いている姿を見ることができます。

 

<写真の撮影場所>ハワイ島:ポロル・バレー展望台付近/ カウアイ島:民家の庭先


GINGER, TORCH

English Name:Torch Ginger

 

東南アジア原産のトーチ・ジンジャーは、重なり合った苞がトーチ(松明)に似ていることから名付けられました。3m以上にも生育します。

原産国のアジアでは、蕾や種などが食用にもされるそうです。

 

 

 

 

 

<写真の撮影場所>ハワイ島:ヒロ

 


GINGER, WILD

Hawaiian Name:’Awapuhi/English Name:Wild Ginger,Shampoo Ginger

 

トレッキングをしていると、森の中で自生しているワイルド・ジンジャーを目にすることがあります。このジンジャーは、ポリネシアの人々が移住してきた早い時期に、ハワイへ持ち込まれたものです。

原産はインドから東南アジアの地域で、太平洋の島々に広まっています。

ジンジャーは、ハワイアンの生活に多用された植物です。

実の様に見える花序は、絞った汁をシャンプーやマッサージオイルとして使います。葉はimu(蒸し焼き)をする際に使用し、その香りでハーブの様な役割を果たします。根は捻挫の湿布や、歯痛の塗り薬、腹痛の飲み薬に使われます。

また、ハワイの神話では創造主でもあるKaneが姿を変えたもの、とも言われています。

 

<写真の撮影場所>カウアイ島:ホオピイ・フォール・トレイルマクブライド・ガーデン

 



HAU

Hawaiian Name:Hau/和名:オオハマボウ

 

鮮やかな黄色いハウの花は、花が開くとたった一日で赤く変色し、椿の様に花がそのままの形で散り落ちます。

朝に開いた花は夕方には散っていく、と言われるほど、花の時期が短い植物です。古代ハワイアンは、短い命のハウの花を、人間の命、精神に例えました。

鮮やかな黄色い花も・・・

・・・赤く色を変えて散ります

女神ヒナの姉妹が、その姿をハウに変えた、という伝説を持ち、かつて伐採には長の許可が必要とされたほど、ハワイでは重要な植物のひとつです。

ハウは海沿いから海抜600mまでの間で生育し、ハワイに自生していたもの、あるいはポリネシア人が移住の早い時期に、ハワイへもたらしたものと考えられています。

ポリネシアの広い地域で、ハウは生活に利用されていました。

浮揚性の高い枝は、魚網のウキに使用されたり、軽い材質はアウトリガー・カヌーや手斧などの生活用品に加工されました。火を熾すための材料にも使われ、樹皮は薬用にも利用されました。

ハウの枝を積み重ねてある場所は、「ここで釣りをしてはいけない」というカプ(禁忌)の合図でした。これは、魚の産卵場所を守るための合図でもあったようです。

海岸沿いのハウの群生地は、防風林としての役目も果たしています。

 

<写真の撮影場所>カウアイ島:マクブライド・ガーデンケアフア森林公園

 

 

 

 


HIBISCUS

この美しい花もハイブリット

 

ハワイをイメージする花、と言えば、多くの人がハイビスカスを思い浮かべるでしょう。

しかし、私たちがハワイの花と思っているハイビスカスのほとんどは、園芸品種として作られたハイブリットです。品種の数も大変多く、品種名が不明なものもあるそう。ハワイの固有種と中国産のものから作られた品種も多いようです。

ハイビスカスはアオイ科フヨウ属で、朝開いた花は、夜には閉じたり落ちたりしてしまいます。ハウやミロもハイビスカスの仲間のアオイ科の花です。

ハワイ固有のハイビスカスの多くは牧畜などによって数が激減し、現在も外来種によって絶滅の危機にあります。

 

 

 

<写真の撮影場所>ハワイ島:ワールド・ボタニカル・ガーデン

 


HIBISCUS,RED

Hawaiian Name:Koki'o 'ula,Koki'o 'ula'ula/English Name:Hawaiian Native Red Hibiscus

 

1923年にハワイの州花になったコキオ・ウラは、かつてはニイハウとカホラヴェを除く、ハワイの主な島々で普通に見ることのできた植物でした。現在は、自生している花をみつけることは、極めて難しくなり、植物園やガーデンで人間の手で繁殖されたものを見るばかりです。その後、ハワイ州花は黄色いハイビスカスのマオ・ハウ・ ヘレに変更されました。

キオ・ウラはハワイの固有種。ハイブリッドのハイビスカスに比べ、小さく可憐な花を咲かせます。まれにオレンジや黄色の花もあるそうです。

60mから900mの森林に生息し、12mの高さに育つこともありますが、ほとんどは低木程度の高さです。

古代ハワイアンは、コキオ・ウラの全てを様々な用途に使いました。つぼみや葉は便秘の薬に、花弁は染料に、樹皮はタパの原料にしました。もちろん宝石のような花は、レイとしても使われました。

花の名前の「’ula」はハワイ語で「赤」のことです。

 

<写真の撮影場所>ハワイ島:セディ・シーモア・ボタニカルガーデンカロパネイチャー・トレイル

 


HIBISCUS,YELLOW

Hawaiian Name: Ma’o Hau Hele/English Name:Hawaiian Native Yellow Hibiscus

 

1988年からコキオ・ウラに替わって、ハワイ州の花となったマオ・ハウ・ヘレも、ハワイ固有種のハイビスカスです。コキオ・ウラよりも大きな黄色い花が咲きます。花の大きさは、直径10cmから15cm。多くは1mほどの低木ですが、時には4mにも育つことがあります。春から初夏が主な花の時期で、午後に花が開き翌日の朝から昼にかけて閉じます。

マオ・ハウ・ヘレも、かつてはニイハウとカホラヴェを除く、ハワイの主な島々で見ることができましたが、現在は希少種になってしまいました。

 

<写真の撮影場所>ハワイ島:エイミー・グリーンウェル民族植物園

 


HIBISCUS,WHITE

Hawaiian Name:Koki'o ke'oke'o Koki'o kea/

English Name:White Kaua'i Hibiscus(Hibiscus waimea),White O'ahu Hibiscus,White Moloka'i Hibiscus

 

ハワイ固有種のひとつである、ホワイト ・ハイビスカスです。

ハワイ固有種の白いハイビスカスは、カウアイ原生のもの、オアフ原生のもの、モロカイ原生のものがあります。カウアイ島の原生種である カウアイ・ワイメアエは、その名の通り、ワイメア渓谷の2000から3000フィートの間で育ちます。このハイビスカスは、大変いい匂いがするそうです 。

こちらがモロカイ・ハイビスカス

ハワイ名のke'oke'oは、「白い白い」という意味です。その名の通り、白い花びらと赤い花柱のコントラストも大変美しい花ですが、花は摘むとすぐにしおれてしまうため、レイなどには あまり使われないようです。

モロカイ・ハイビスカスは、花柱も白く、花柱の先端が明るいオレンジ色。現在では、自生しているものは極めて希少になってしまいました。モロカイ島のセント・ジョセフ・チャーチにも、モロカイ・ハイビスカスが植えられていました。

コキオ・ケオケオは、現在は人の手によって挿し木などで増やしています。様々な庭園でも見ることができるので、探してみてください。

 

 

<写真の撮影場所>カウアイ島:マクブライド・ガーデンリマフリ・ガーデン

 

 

 

 

 

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