HO'OP'I FALLS

ADVENTURE IN A FALLS HIKE  −Sep.2002−

 

カララウトレイル・ トレッキングが結構、大変だったため、

もう少し簡単なハイキングコースを探していました。

「このHO’OPI’I FALLS HIKEっていうのがいいんじゃない?

10〜30分のハイクってUltimate Kauai Guidebookに書いてあるよ」

でも、私たちのUltimateは、版がひとつ古かったのでした・・・。

 

「幻の滝を探して」

NO TRESPASSING

地図があると、大抵の場所には行けるだろう、って思うのが私。

地図があると、その説明文なんて半分も読まないのも私。

と、いう性格から始まった悲喜劇は、地図上には確かにあるはずの道が、門で閉ざされていたことから始まりました。

未舗装路の入口。黄色い門が目印

「この道だと思うんだけどなあ、『立ち入り禁止』になってる・・・」

「地図だと、突き当たりから未舗装路に入って、有刺鉄線のフェンスの手前の細道を、右に折れてすぐなんだけど」

しかし、突き当りから未舗装路に入るところは、鉄柵の門が塞いでいます。

ここは、カパアの北側、山の中の住宅地です。住宅地の真ん中で観光客が車を公道に停めておくのは、とても迷惑なので、そのことについても考えなくてはなりません。道沿いの草地の前に、車を置くことにしました。

車を停めたすぐ近くに、別の未舗装路へ入る入り口があります。

長閑に草を食む牛たち

フラットな歩きやすい道。余裕余裕

「こっちから、行かなきゃダメかなあ。」

「うーん、すごく遠回りみたいだけどね。」

その時、別のグループが未舗装路へ入っていくのが見えました。

ビデオを回しながら歩く観光客らしき男女数人と、道案内をしているローカルらしい男性です。

私たちも彼らの後に続くことにしました。

 

LOST OUR WAY

未舗装路は牧場に沿って続く小道で、ほとんど起伏も無く、歩きやすい道です。

道にはジンジャーやシダ類が育ち、レッド・カーディナルも飛んでいます。

「いい道だね〜♪」「(バシ)・・・蚊がちょっと多いけどね・・・」

蚊よけスプレーをかけ直して、小道を更に進むと、水音がしてきました。

KAPA’A STREAMです。

まだまだ大丈夫・・・

えっ、道はこっちでいいの?

いつの間にか、先行していたグループは見えなくなってしまいました。

道はどんどん草深くなり、すっかり森の中です。

「・・・・この道でいいのかなあ」

「川沿いの道にまず出なきゃいけないみたい。こっちじゃないかも・・・」

ガイドブックの地図は非常に大まかなので、進みたい川沿いの道への分岐点がよくわかりません。

「このドロドロでスベスベの崖の様なケモノ道を降りなきゃいけないのかしら・・」

川沿いの道へ降りられそうなバイパスはいくつかあるのですが、どれも降りるのはかなり大変そうです。幸い滑らずに川沿いの道へ出ることができました。

カパア・ストリーム沿いの小道は草に囲まれていて、どうにか道を判別できる位ですが、だんだん先細りになり消えてしまいました。

「ガイドブックには、『川沿いの道と平行に延びる道を、やぶを切り開いてみつける』ってあるけど・・・」

「え!やぶを切り開くって、そんなこと聞いてないよ」

「だって、今、説明文を読んだんだもん」

ガイドブックには、やぶを抜ける場所はだいたいどこでも良いと、書いてありますが、周囲はかなり深い森です。暫し、呆然としてしまいました。

・・・・道はどこだ・・・・

「『平行に延びる道を見つけたら、川に沿って歩いて、途中で川を渡る』って書いてあるよ・・」

「川を渡る!?」

「『水量が多いときは渡ってはいけない』」

「おい、聞いてないぞ」

「だから、今、説明文を読んでいるんだってば」

全然、イージートレイルじゃなさそうな雰囲気になってきました。

「もうひとつ、滝があるみたいだから、そっちを見て帰ろう・・・」

 

THUNDEROUS UNNAMED FALLS

川に沿ってしばらく進むと、滝が現れました。当初の目標とは違いますが、とりあえず「滝を探す」という目的は果たしたわけです。

名前の無い滝

滝を上から見たところ

これは『雷のようにとどろきわたる、名前の無い滝』と、ガイドブックに書かれている滝です。

ホオピイ滝は、滝近くの岩でピクニックができるようですが、この滝の周りは岩場で、はっきり言って危ない。

「まあ、滝は見たし・・」

と、いうことで川に沿った道を戻ることにしました。しかし、この川沿いの道は、狭い上に滑ります。川沿い、と言うより崖伝いと言う感じです。救いは、帰路は登りになるということで、この道を下っていたら、どんくさい私は川に落ちていたでしょう。

と、思ったところへカップルがやや滑りながら降りてくるのに出会いました。うわ、この道を降りていくつもりなんですか・・・。

「滝はこの道でいいの?」「もうちょっと先です」

あなたの目指している滝じゃないと思うけど、とか、道がよくわからなくて戻ってきているところなの、とか、説明できる状況ではありません。絶対すれ違えない・・という岩場を崖に張り付くようにして、すれ違いました。滝は一応あるので、ウソは言ってないの・・・グッド・ラック・・・・と、恐る恐る道を下るカップルの背中を見送りました。

安心できる未舗装路まで戻ったところで、ビーチサンダルに海水パンツ、ビーチタオルを肩にかけた男性に出会いました。

「滝へ行ってきたかい?」

「ううん、道が分からなくて帰ってきたところなの」

「道が分からないって?!」

男性は「そんなはずはないぞ」とでも言うように首を振りながら草むらに消えていきました。

当初、出会ったグループやこの男性(泳ぎに行くのね・・・)のように道を知っている人には、イージーな道なのかもしれません。でも、途中で川を渡るなら、ビーチサンダルも持ってきたほうがいいかもしれませんね。

 

反省

THUNDEROUS UNNAMED FALLS

宿に戻ると、オーナー氏が他のお客さんと話をしていました。

「どこへ行ってきたの?」

滝へ行こうとしたが、道に迷った話をすると、「どの滝?」と、Ultimate Guide Bookの最新号をみんなで見ることになりました。

「あ、このホオピイ滝に行こうとして・・・げっ」

最新号の地図には、最短距離の道が書いてありません。あの、立ち入り禁止になっていた道です。

「ああ、ホオピイ滝で事故があったのよ。それで、土地の所有者が道を塞いだんだわ」

オーナー氏に先にアドバイスをしてもらえばよかった、イヤ最新のガイドブックを持っていれば・・と反省。

「でもいいか、面白かったし・・」まあ、ガイドブックは最新号を持っていたほうが、いいですね。

「門のところに『中で犬を放してある』って、貼ってありました」

「まあ、犬を・・・それは、本当にアドベンチャーだわ」

一瞬、ドーベルマンに追われる自分を想像してしまいました・・・。

 

 

 

 

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