UNDER THE POWERLINES −May 2005−
カウアイは、(険しいナパリを除いて)島の周囲をぐるりと囲むように、 道が作られています。 島の中央には、山々が連なり、進むことは、できないように見えます。 ところが、島を縦断する道もあるのですよ。
「電線下通り」
電線の道
島の北側、プリンスヴィル空港の近くから、少し山へと入ったところに、パワーライン・トレイルはあります。トレイルは、島の中央付近へと南に10マイル以上、続いています。トレイルの南側の入口は、580号線まですぐ。 ここは、カパアの町から4マイルほどです。 カパアからプリンスヴィルまで、海沿いのハイウェイを通ると20マイルほどなので、パワーライン・トレイルを通った方が、6マイルほど近いはず。ただし、普通はパワーライン・トレイルは、車では通れないでしょう。
パワーライン・トレイルは20世紀始めに、電力会社が作った道です。その名前の通り、電線を通すことが目的。そのため、このトレイルを歩くということは、だいたい電線の下辺りをうろうろすることになります。 周囲は、カウアイの深い森なのに、常に電線と、電線に付けられたオレンジのボール、それに時々大きな電柱を見ながら、てくてく歩くという、ちょっと不思議な道です。 片道10マイルを歩いても、車は10マイル後方の入口に停めたままだし、だいいち10マイルも歩きたくないぞ、というわけで、今回はプリンスヴィル側から少しだけ歩くことにしました。
高台のトレイル
プリンスヴィルにある牧場から山側に少し登ると、パワーライン・トレイルの北側の入口があります。 パワーライン・トレイルまでの道は、高級住宅地をヨコメで眺めながらのドライブです。帰路は、眼下に海が広がる、なかなか気持ちのいいドライブルート。ヘイアウの横を通り、ウォーター・タンクが見えてきたら、舗装路も終わり。ここからパワーライン・トレイルです。
トレイルの入口には、小さな小屋があります。ここはハンターチェック・ポイント。ハワイはハンティングが盛んで、トレッキングをしているとよくハンターに出会います。パワーライン・トレイルは、ハンティングエリアと隣接しているので、この道をハンターが通ることも多いよう。山の中で鉄砲を持った人には、できれば会いたくないので、本当は禁猟日に歩きたいのものです。それに、猟区には迷い猟犬がいることがあり、これもできれば会いたくないなあ。 さて、トレイルを歩き出しましょう。トレイルは草の間を抜ける、未舗装路。ところどころに大きな水溜りがありますが、なかなか歩きやすい道です。いろいろな花も見かけます。一番目に付くのは、やはりグアバの花。春はグアバの花盛りです。他にも様々な花を見かけますが、ほとんどが外来種のよう。観賞用の花が芽吹いたものは、目立つしキレイなのですが、名前もよく分かりません。山の中を、車も(無理をすれば)通れる道がある、ということは、外来種の植物を入り込ませることになるのでしょう。
マウンテンバイクのツアーが私たちを追い越して行きました。カパア側では、送迎の車が待っているのかな?それとも、往復するのかな?
ちょっとたいくつ
ウグイスが鳴く、山の中の道は、なかなかのどかです。やや勾配があるものの、道は歩きやすく、木々の間を飛び回る、メジロなども見かけます。でも、ちょっと単調。それに影があまりなくて、暑い・・・。 崖下にはハナレイ川が流れているのですが、ちょっと見通しが悪く絶景とまではいきません。滝がいくつも見える、というガイドブックの記述を楽しみにしていたのですが、最近は雨が少なかったのか、ちょっとショボイ・・。
どの位歩いたか、目印になるのは、トレイルに沿ってのびている、電線です。 「電線下通り、歩いてみれば〜♪」 単調な道なので、デタラメ歌をオットが歌っています。なぜか、4畳半フォーク調。 「君は、轢かれたカエルに、立ち止まる〜♪」 轢死したカエルを、たくさん見かけます。カエル嫌いの方には、むかないかな。 1マイルほど歩きました。実はこの先、どんどん山奥に入ると、景色もさらに単調になるらしい。ハンターのピックアップ・トラックが、車体を揺らしながらやって来たのをきっかけに、引き返すことにしました。 「うーん、帰りの方が景色がいいねえ」 帰路は、海に向かって、トレイルをてくてく降りて行きました。
帰路の方が眺めがいいです
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