GARDENS IN GARDEN ISLAND −Feb.2001−
「ガーデンアイランドのガーデンに行く」 <アラートン・ガーデン>
カウアイ島は、その緑あふれる島の様子から「ガーデンアイランド」と呼ばれています。 実際、カウアイには有名なガーデンがいくつもあります。 そのなかでも、National Tropical Botanical Garden(NTBG)が所有する、 5つのガーデンのうち3つが、カウアイにあることは、特筆するべきでしょう。 NTBGは、希少植物の保護活動を行っている機関で、 ハワイ諸島の様な、特異な生態系を築いてきた土地にとっては、 このような機関の活動は、重要なものに違いありません。 NTBGのHPは、LINKからリンクしていますので、ご覧下さい。
- ALLERTON GARDEN - 準備 カウアイへ行く一週間くらい前に、NTBGへメールでアクセスしたのですが、返事がありませんでした。 こんなこともあるので、早めのアクセスが必要なんですね。 なぜ、連絡をとろうとしていたかと言えば、ALLERTON GARDENは、予約制のガイドツアーしか行っていないのです。 また、日本語のガイドさんもいらっしゃるので、日本語によるツアーに参加したい方は、事前に連絡した方がいいようです。(日本語のガイドさんがいても、もちろんメールは英文で。) 結局、私たちはカウアイ到着後、電話で連絡し、偶然その日の午後にあった、日本語によるツアーに参加できたのでした。 持ち物・・・水(ツアーでは、多少歩きます。)・虫除け(貸して頂けますが、蚊はとても多かったです)
ガーデンツアー 2時からのツアーは、私たちを含めて2組4名でした。 ツアーガイドのフミさんは、大変親切な方です。ガイドの途中でも、気が付いたことをメモなさっていたり、私たちへの気配りも完璧! ビジターセンターからクラッシックカーで、アラートンガーデンへ向います。 アラートンガーデンの入り口は、右の写真の様に、門で遮られています。事情をしらない観光客がここまで来てしまうことも、しばしばあるとの事です。ガイドさんの持ってらっしゃるリモコンで門が開閉します。
私たちが訪れた2月はブーゲンビリアが花盛りでした。アラートンガーデンは、谷間(Lawai Valley)にあるのですが、崖いっぱいにブーゲンビリアが植えられています(写真左)。 このガーデンを造園したアラートン氏は、たいへんなお金持ちで、世界中を旅行して、ガーデンのヒントを得て、自分のガーデンに模倣したそうです。 「あら、こんな庭を英国で見たことあるぞ・・」と、いうコーナーがあったりしましたが(例えば右写真のDiana Fountainのコーナーなんかは、ウェールズのボドナント・ガーデンの一部に似ている気がします)、正直に言うと(たぶん)オリジナルに比べて、見劣りする感じは否めません。 ヨーロッパのガーデンめぐりがお好きな方には、物足りないかもしれませんが、アラートンガーデンの魅力は造園よりも、そこにある植物の特異性やロケーションにあると思います(アラートン氏には悪いけれど・・)。
アラートン氏は男性のパートナーと造園に力を注いだのですが、生涯結婚もせず、子供もいなかったので、ガーデンはそのまま信託されたのだそうです。 もし、子孫があってこのガーデンを相続していたら、今ごろホテルリゾートやゴルフ場になっていたかもしれないので、アラートン氏に感謝しないといけないですね。 左写真はThanksgiving Roomという感謝祭の際にパーティなどをしたらしい場所です。ここは、植物で部屋のように四角く区切られているのですが、アラートン氏は、このようにガーデンを一つ一つの部屋として造園するプランを組んでいたようです。 アラートン氏の造園テーマの一つは「水」だったようで、ガーデン内には自然の川が流れているのですが、その他にも多くの人工池が作られています。写真右の2枚のうち左がThree Pools、 右がMermaid Fountainです。 Mermaid Fountainは、水が常に揺れて落ちてくるように見えるという、不思議な構造です。
下のイチジク種の木は、ジェラシック・パークのロケーションに使われたことで有名ですが、このように大きな木でも 意外に若く、樹齢60年ほどだそうです。 火山で出来たハワイ諸島は地盤が浅く(すぐに溶岩層になってしまう)ので、根はこのように地表に張り出してしまいます。 右の写真は、Lawai湾に面した、アラートン氏のお家です。 キロハナのような豪邸ではないのですが、こんな素敵な場所で思う存分、好きなガーデニングをできた、アラートン氏は幸せだったにちがいありません。
アラートン氏からガーデンを信託されたNTBGでは、絶滅が心配されるハワイの希少植物を採集し、ナーサリーで増やしています。見せていただいたKanaloaという植物は現在発見されているだけで2株しかなく、なかなか実をつけないので、増やすことが難しいのだそうです。 島の観光開発やヤギなどの食害で、姿を消しつつある植物の中には、現代医学では治癒できない病気の、特効薬になるものもあるかもしれないので、損失は計り知れないでしょう。 観光客の一人として、自然破壊に手を貸さず、観光するにはどうしたらよいかを、改めて考させられました。 最後に、ガーデンの果樹園でザボンを頂きました。もちろん無農薬で栽培されたザボンは、私の知っているものとは違った味で、甘くておいしい! 丁寧なガイドをしてくださった、フミさんありがとう!
ラワイ湾に面した、美しいアラートンガーデン
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