PUU WAAWAA

HIKING AT THE PUU WAAWAA - Nov.2008-

 

「丘にのぼれば」

         

トレッキングとバードウオッチが中心のハワイ旅行をしているので

ハワイ島での行動はどうしても東寄りになりがち。

西側でもハイキングしよう!

ということで、行ってみました、丘を登りに。

 

PUU WAAWAA RANCH

噴石丘とは、火山の噴火でできた小山のことです。ハワイ島では、そこかしこで噴石丘を見ることができますが、特に19号線からサドル・ロードにかけて、ボコボコとたくさんの噴石丘があります(写真@)。この噴石丘を登りに行くぞ、ということで、プウ・ワアワア・ランチに来ました。

@

 

A

B

 

この辺りは、古代ハワイアンの土地の利用システム、アフプアアとして活用されていた場所でした。西洋人の入植後、牧場になり、何度かの転売を経て、現在は公共機関の管理下にあるようです。と、思っているのですが、まだ牧場もあるようだし、どうなっているのかよくわかりません。

ともかく、その牧場の中にある噴石丘、プウ・ワアワアに登るのが、今日の目的です。

 

ハイウエイから目指すプウ・ワアワアを探してみるのですが、この辺りは噴石丘が多いので、どれがプウ・ワアワアなのか分かり難い。地図を見ていると、たぶんこの辺かな、と思っていると、ハイウエイ脇に、私有地のような門が見えました。ワイメア方面から来た場合、ゴルフ場(BIG ISLAND COUNTRY CLUB)から2kmほど先の山側(左)です。

 

丁度、トラックが入るところでしたが、この門は自分で開けて入るようです。門の鍵が開いているのは、平日の朝6時から夕方6時までだそう。中に牛などがいるので、門は必ず閉めたほうがいいようです(写真A)

先に入ったトラックは、右方向に行ってしまいました。たぶん、牧場の人かな。私たちは、標識に沿って、二股に分かれた道を左へと向かいます(写真B)

 

HUNTER CHECK POINT

しばらく車で進むと、小屋が見えてきました。この辺りは、狩猟地でもあるらしいので、ハンター・チェック・ポイントの小屋のようです(写真C)

 

ハイキングやバードウオッチの場所は、狩猟区と重なることが多く、ハンター・チェック・ポイントもよく見かけます。

ここには、ハンターが名前や猟果を記入する用紙が置いてあるので、興味から眺めてみたりしています。

C  

D E F

今まで、特に危ない、と思ったことはないのですが、狩猟期の始まりくらいに、

「ハンターが多いから、この先に進むのはやめなさい」

と、監視員のような人に注意されて、引き返したことがあります。ハワイの狩猟区や狩猟時期については、電話帳に出ていたりもするので、チェックしてみるといいかもしれません。

 

このハンター・チェック・ポイントには、トレイルを歩く人のために、地図と入山名簿のようなものが用意されていました(写真D)。 他のハンター・チェック・ポイントでは、このような設備はみかけたことがありません。

 

このトレイルは、ボランティアにより、よく手入れされています。名簿に記帳された内容を見ると、一日一組くらいしか、このトレイルに来ていないことが分かりました が、整備されているのにもったいないな、と思います。後日、友人を介して分かったことですが、近所に住んでいる人でも、このトレイルのことを知らなかったようです。

 

道路はロープで遮られているので、車で行けるのはここまで。小屋の脇に車を停めて、トレッキングの開始です。

 

HAWAIIAN HAWK

車が入ってこれないようになっていましたが、舗装された歩きやすい道路が続いています(写真F)。道は、緩い坂道になっていて、両脇は森です。目指すプウ・ワアワアも、この森に遮られてよく見えません。 坂はそれほど急ではないので、息があがるほではありませんが、道はひたすら真っ直ぐだし、風景も変わらないし、ちょっとタイクツ。

時々、オトシモノをみかけるなあ、と思っていたら、いました、牛です(写真E)。道路と森の境目辺りから、じっとこちらを見ています。牛が怒って向かってきたらどうしよう、ちょっとイヤだなあ、と思っていると、牛もイヤだったようで、森の中に逃げ込んでしまいました。タイクツな道なので、牛を見かけると、ちょっと気分転換になります。

G↑H↓

I↓ J

K

L M

 

だらだらと、坂を1マイルほど登って、やっと目指すプウ・ワアワアの麓まで来ました(写真G)。森が開けて分かれ道が見えます。右の方に見えるのが、牧場かな。

 

先に帰路について書いてしまいますが、この分かれ道のうちの一つが「MIKI ROAD」という出口へ向かう周回路になっています(写真H)。同じ道で帰るのも、面白くないので、帰りはこの道を通りました。こちらは、舗装されていない道で、途中から「OHIA TRAIL」(写真I)という森の中を抜ける道へ曲がります。

ところで、歩いてみるとこの道は、アア溶岩であったらしい、ごろごろの石の上を歩くようになっていて、かなり歩きにくかったです(写真M)

森の中では、羊の群れ(写真K)や、かつて羊だったらしいホネ(写真L)などを見かけました。距離はそれほど違わないのですが、舗装路を通ったほうが、かなり楽です。

 

話を戻しましょう。

先ほどから、森の中で猛禽類の声がするぞ、と思っていましたが、すぐ近くでも大きな鳴き声がしました。声の主を探すと・・・いました!木の上に、イオが!!(写真J)

イオは、ハワイ島にしかいないハワイ固有種の鷹です。茶色系と白系の2種類がいるらしいのですが、このイオは白系です。

そっと木の下に近づくと、イオもこちらに気が付いたようです。首を左右に傾げて、私の方を見ています。猛禽類の首を傾げる仕草は、獲物との距離を測っていると言われています、イオは、私との距離が充分と見たのか、危険な相手ではないと判断したのか、リラックスした様子で枝に止まっています。

 

ああ、イオを初めて見たよ、嬉しいなあ。と、写真をバチバチ撮っていると、牧場方面からトラックがやってきました。門のところで会ったトラックです。

トラックの中からおじさんが「大丈夫?」と声をかけてくれました。分かれ道でずっと立ち止まっている私たちを見て、何か困ったことが起きたのかと思ってくれたようです。

「イオが」と、木の上を指差すと、おじさんは、なんだ、というような笑顔になって「いつでも牧場の柵に止まっているよ」と教えてくれました。

おじさんに心配させてしまったし、ずっと木の下にいても、イオも迷惑だろうし、先を目指すことにしました。

 

CONE TRAIL

さて、やっとプウ・ワアワア登山です。

プウ・ワアワアという名前のプウは、ハワイ語で丘を意味しますが、噴石丘の名前にはこの「PU‘U」が付いているようです。プウ・ワアワアは「溝が付いた噴石丘」というような意味です。

 

N

 

O P Q

 ハンター・チェック・ポイントにあった地図に書いてある説明によると、噴石丘の斜面についた深い溝(写真N)から、この名前がついたそうです。また、このプウ・ワアワアは、ハワイ島で一番大きい噴石丘とのことです、ホントかな。

それはともかく、この溝は雨による侵食でできたもののようです。カウアイ島の渓谷も、同様の侵食が見られるので、そのミニチュア版といった感じがします。

 

プウ・ワアワアの周囲を回りこむように登ります。登るといっても、この辺りまでは、それほど急ではありません。左手に、柵があります(写真O)。西部劇で、牛や馬を囲い込むシーンで見かけるような柵です。この柵は、かつて牧場で牛の手術に使った、という説明が地図に書いてありました。

 

柵を通り過ぎると、トレイルは一気に急勾配になります。プウ・ワアワアは、正面からは分かりませんが、裏に回りこむと、深い亀裂があります。まるで、丸いケーキを一人分だけ三角に切り取ったかのようです。その切り取られた部分に、頂上まで登るトレイルが付いているのです。距離は短いのですが、とても急です(写真Q)。登っている間にも、気をつけないとずるずると滑り落ちてしまいそう。うーん、これまで、だらだらと緩く登ってきた分、一気にここで高さを稼ごうという算段だな、ずるいぞー。

 

赤土が向き出ているトレイルよりも、柵の向こうの草地のほうが歩きやすいのではないかなあ、と見ると、たくさんの黄色い鳥が群れをなして飛んでいます(写真P)。見たところ、サフランフィンチのようですが、もしかしたらカナリアが混じっているかも。

プウ・ワアワア牧場の牧場主が、かつてカナリアをたくさん逃がしたのだそうです。それが野生化して、この辺りにいるらしい。カナリアかな、いやサフランフィンチだなあ、などと思いながら、やっと頂上付近まできました、やれやれ。

R

S

 

TOP OF THE HILL

頂上からは絶景が望める!と思っていたのですが、急な斜面を登っているうちに、霧が下りてきたようです。

辺りはすっかり霧に包まれて、もはや下界は見えません。晴れていたら、キホロ・ベイまで見えるはずなのですが。

 

強い風のために横倒しになり、立ち枯れた木は、空をつかんでいるかのようです(写真R)

顔の黒い羊が、じっとこちらをみています(写真S)。メリノ種のような、捻じ曲がった羊の角は、アクマ、などと連想させます。

すでに、ハワイの風景ではありません。今にも、首のない騎士が、馬に乗ってやってきそう。

 

でも、山頂にはベンチなどもあって、のんびりするのによさそう。

霧の中というのも、不思議な感じで、またいい感じです。山頂の草原にシートを敷くと、ふかふかの布団の上に座っているようです。霧のためか、涼しくなってきました。ヤギもいるし、ちょっとハイジな気分、などと思いながら、お弁当を食べて下山したのでした。

 

※アロハカワラ版の記事はこちら

 

 

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