TAKE A WALK IN DOWNTOWN
「ヒロでホロホロ」
「雨の都」「ノスタルジック・タウン」・・・・・ ハワイ島でもコナに比べて、観光客の人気もいまいちのヒロですが、 わたしは大好きな街です。 ヒロに行くと、観光地じゃないハワイを、ちょっと覗いた気分がします。
DOWNTOWN HILO
ヒロに降る雨を「カニ・レフア」と言います。 「ヒロは雨が多い」というだけで、ヒロを避ける観光客も多いようです。 カリフォルニアから来たというカップルは「コナは良かったわ!すばらしい太陽!それに比べて、ヒロは毎日、雨ね」と言っていました。でも、そんな彼らもヒロのリピーターでした。 ヒロの静かな雨は、太陽の降り注ぐハワイ島の西海岸にいるよりも、静かで落ち着いた気分にさせてくれるのかもしれません。
私は、ダウンタウンに降る雨が好きです。 弓なりに曲がるヒロ湾の北西に面して、ダウンタウンはあります。 「寂れていている」と言われるダウンタウンですが、雨にぬれた古い建物を見ていると、なんだか優しい気分になります。
2階建てくらいの低層の建物が並ぶダウンタウンは、なんだかなつかしい雰囲気です。商店は観光客向けのお店より、ヒロで生活する人のためのお店の方が多いようです。 雨も熱帯特有のスコールではなく、狐の嫁入りのような雨が多いような感じです。
ヒロは何度も大きな津波に襲われています。 ダウンタウンに津波博物館がありますが、1946年のアラスカ地震、1960年のチリ地震の時は、多くの死者を伴って街は破壊されました。 この2回の津波以前のヒロの写真を見ると、ダウンタウンには多くの日系の商店や会社があり、日本語の看板が掲げられています。 人口の半数を、日系人が占めていた時代もあったそうです。
今でもヒロを歩いていると、多くの日系人の方々を見かけます。ハオレ(白人)のハワイ在住者より、日系や中国系、ハワイアンの人たちを多く見るような感じです。
しかし、ダウンタウンをブラブラしていて、あまり日本人の観光客を見かけることは、ありません。コナから日帰りで来たみなさんは、有名な2,3のお店に立ち寄ると、急いで引き返してしまうようです。確かに、コナとヒロの距離は用事を済ましたら、さっさと帰らなければ、日が暮れてしまうほど離れています。 それに対してヒロは、用事もなくブラブラしているのに、ふさわしい街です。
ヒロは美しい緑と、水に恵まれています。 ダウンタウンの北を流れるワイルク川は、上流にレインボー・フォールやボイリング・ポッドなどの観光ポイントがあります。 この川には古い素敵な橋が掛かっています。この橋の周りも緑が深く、静かで美しいところです。この上流からマウイに退治されたKUNAが流れて来たのですね。 この川が流れ込むヒロ湾は、川から豊富に水が流れ込むので、塩分が薄いと言われます。
東に向いたヒロの街は、なんとなく朝のほうが活気があるように思います。SUISANに海から魚を積んだ船が、帰ってくる朝は、ヒロ湾が一番賑わう時間帯ではないでしょうか。 ダウンタウンから広い19号線を渡った海辺では、釣りをしている人たちがいます。彼らは、かなり早い時間でも、夕方でも釣りをしていました。
海岸沿いのKAMEHAMEHA Ave.からHAILI St.に入ると、「PALACE」のサインが目に飛び込んできます。 パレス・シアターは、現役の映画館です。 夜のヒロでは「SUISAN」とこの「PALACE」のネオンサインが美しく光っています。日本の街中のように、多すぎるネオンサインは煩いだけですが、ヒロでひっそりと光っている「PALACE」を見ると、寂しいような、ホッとするような気がします。 どんな映画を上映しているのかな、と覗いたら「菊次郎の夏」が掛かっていました。 (パレス・シアターの写真をはれのぷにも掲載しています→こちら)
ハワイに行くと、日系の方に話しかけられることが多いのですが、ヒロで出会った日系の女性は、隣に駐車した夫に車の中から話しかけてきました。 「素敵な新車を買ったのね」 「(夫)レンタカーです」 女性は、あっはっは、と豪快に笑って、「旅行?日本から?気を付けて良い旅をね!」と手を振ってくれました。
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