A PASSAGE OF THE PUU OO - Apr.2006 -
「プウ・オオへの道・その1」
今年(2008年)になってから、ハレマウマウの爆発もありましたが やはり、ハワイ島で最も活発に活動している噴火口といえば、 プウ・オオ火口でしょう。 そのプウ・オオ火口への道を目指した、長い挑戦(?)の記録なのであります。
ちょっと雨模様
ハワイ島では、ボルケーノ周辺に入り浸っている事が多いので、その雨の多さにも慣れっこになってしまいました。この朝も、ワイパー、フル稼働でボルケーノまでドライブ。そのうち止むこともあるだろう、と思った雨は、やっぱり止んで、昼頃には曇り空から少し青空も見えてきました。
チェーン・オブ・クレーター・ロードを下って、ナパウ・トレイルへ向かいます。名前の通り、クレーターが数珠繋ぎになっているこの道は、幾つもの展望台があって、クレーターを覗く事ができます。
ナパウ・トレイルへの入口は、トイレのマークが目印。左折して少し走ると、駐車場が見えてきます。駐車場がガラガラなのが、ちょっと気がかりですが、午前中は雨だったしね、とりあえず歩くことにします。
今日、歩くのは上記の地図のうち、駐車場からプウ・フルフルまでの1マイルほど。
ナパウ・トレイルを歩くのには、ビジターセンターでパーミットを申請しなくてはいけませんが、プウ・フルフルまでなら不要です。 駐車場への道は、実はその昔、カラパナへ通じていたハイウエイ。1970年代に流れた溶岩によって、道は溶岩の下に埋もれてしまいました。駐車場から道をたどって行くと、溶岩に飲み込まれた舗装路の端があります。
さて、舗装路から路肩を外れるように、溶岩の中に踏み出すようにして、ナパウ・トレイルを歩き出します。どこがトレイルか分からないような溶岩の大地です が、よく見ると、黄色い反射板が溶岩に貼ってあり、道標になっていました。真っ黒な溶岩からは、オヒア・レフアやオヘロ・ベリー、ヒメツルソバなどが既に育っています。30年前に焼き払われた土地は、どんどん再生してるようです。
キプカと思われる林を抜けると、また溶岩の大地です。ところどころに立っている溶岩樹は、ネコに見えたり、小人に見えたり。「あの溶岩樹は、何に似ているか」などとのんきな事を言っているうちに、雨が激しく降り出しました、慌てて近くのキプカの木の下で雨宿りです。 うーん、ちょっと天気が悪すぎかも、引き返そうかなあ。
溶岩が続く 激しく降っていた雨は、だんだん小雨になってきたので、やはりプウ・フルフルまで行ってみる事にしました。プウ・フルフルまでは片道1マイル、たぶんもう7割くらいは歩いてきているはずです。
溶岩の上の道では、黄色いテープ以外は、石を積み重ねて作ったケルンが目印。でも黒い溶岩の上に溶岩を積み重ねて作ったケルンは、ちょっと見難いかな。 所々に溶岩が崩落してできた穴も見えます。 それも、真っ黒な溶岩の上では、分かり難い。
前から、機材を持ったレンジャーらしい人たちが歩いてきました。このトレイルで会う、初めてのハイカーです。 「こんにちは、その機材は何に使うのですか」 「これは、ガスの濃度を測るものだよ、ナパウ・キャンプまで行くの?」 「いえいえ、とんでもないです」 レンジャーさんたちは、重そうな機材を持っていましたが、元気いっぱいの様子。うーん、すごいなあ。どこまで行ってガスの濃度を測ってきたのでしょう、大変なお仕事です。
プウ・フルフル登頂
雨も止んで、やっとプウ・フルフルの麓に着きました。ここからは、登り道です。 急な坂を登っていく感じですが、道はちゃんと整備してあるし、それほど長い距離ではないので、一気に登ってしまうことができます。プウ・フルフルは、高さも50mくらいの小山、という感じなのです。 でも、ここに登れば、プウ・オオが煙を吐いている姿が見えるはず・・・なのですが、生憎の天候で一面が霧のようなもやがかかっていて、どれが煙なのか分かりません。プウ・オオが見えているのか、見えていないのかさえはっきり分かりません。
プウ・フルフルの頂上から辺りを見ていると、赤い鳥が他の鳥を追いかけている姿が見えました。赤い鳥はアパパネのように見えました。追いかけられていたのは、アパパネの幼鳥かな。アパパネの生育地は、この辺りが限界なのかも。 プウ・オオを確認できずにプウ・フルフルから、あっという間に下山して、帰路を戻ります。帰路の方が、やや下りになることもあり、楽に帰ることができます、なんと言っても往復2マイルほどのショート・ハイキングです。途中で会った、レンジャーさんたちの様に、この先を歩くことはまずないでしょう。
プウ・フルフル頂上からの眺め。うーん、全然プウ・オオが分からない・・・・
これが、ナパウへの長い挑戦の幕開けであることを、知る由もない、NOPUであった、続く。
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