BIRD WATCHING AT MAUNA LOA - Apr.2007, Nov.2007 & Apr. 2008 -
「マウナ・ロアでバード・ウオッチ」
ハワイ島には4千メートルを超える2つの山があります。 この2つの山は、実はバード・ウオッチにも最適。 マウナ・ロアでのバードウオッチは、我が家の定番コースの一つです。
MAUNA LOA
ハワイ語で「長い山」の意味を持つ、マウナ・ロアは、名前の通り裾野が長く広がる山です。 そのせいか、下から見上げていると、あまり高い山という感じはしません。しかし実際は、富士山よりも高く、標高が4169mもあります。
ハワイ島にあるもう一つの高い山、マウナ・ケアと違って、マウナ・ロアは活火山。今は、マウナロアの麓にあるキラウエア周辺の火山活動が活発ですが、少し前までマウナ・ロアからは、どろどろと溶岩が流れ出していたのです。 ハワイ島を空から撮った写真を見ると、よく分かるのですが、マウナ・ロアから流れ出た溶岩が、四方八方に伸びています。一番最近では1984年に噴火し、その時に流れ出た溶岩は、ヒロまでもう少し、という場所まで迫ったそうです。
そのマウナ・ロアへ上るルートは、大きく分けて2つあります。一つは、サドルロードの丁度中間辺りから登る道、そしてもう一つはボルケーノ国立公園の近くから登る道です。ただ 、どちらの道も、ほとんどのレンタカー会社では保険が効かない道なので、これからお話する場所も、オススメすることはできません。
MAUNA LOA ROAD
マウナ・ロア・ロードは、 ボルケーノ国立公園のゲート外にある道ですが、国立公園に含まれる地域にあります。バード・パーク(キプカ・プナルウ)へ向かう道が、マウナ・ロア・ロードです。
バード・パークの入口近くにゲートがあるのですが、施錠されている時があるそうです。 この道沿いは、乾燥する季節には、極めて山火事が起こりやすくなるため、通行が禁止されるようです。もちろんゲートが開いているときでも、火事にならないよう火を使わないことが大切でしょう。
ゲートを越えてしばらくは、森の中をドライブします。やや狭いですがセンターラインが引かれた二車線の舗装路です。ただ、曲がりくねった道は、前方からの車が見えにくく、スピードを出しているととても危険です。 道をさらに登って行くと、センターラインのない車一台分の幅の道になり、危険度は更に増します。ゆっくり走っていても、曲がった道は対向車が見え辛く、木々の間から急に車の姿が見えてヒヤリとすることも多々あります。
KIPUKA KI さて、ゲートを越えてしばらく走ると、キプカ・キと呼ばれる森に着きます。 キプカ、という名前が付いていても、道路からはこの森が孤立しているようには見えません。大きなコアの木が 道路のすぐ側まで立つ、いつも少し暗い感じがする場所です。
この辺りでは、フランコリンやミヤマハッカンが道路を横切って走っていくのをよく見かけますが、木々の間に目を凝らしていると、エレパイオがすぐ近くにいることがあります。 この道で見かけるエレパイオは、おそらく、そのほとんどがボルケーノ・エレパイオ。エレパイオ特有の、尾羽を振り上げたポーズで、こちらを伺っていることもしばしばです。
KEAMOKU FLOW
森の中を抜けていくマウナ・ロア・ロードですが、その中間辺りで、溶岩が道を横切った跡を抜けます。この溶岩はケアモク・フローという名前が付いています。
アア溶岩が森を断ち切るように広がっているのですが、そのアア溶岩の中に、オヒアのかなり大きな木が立っています。このオヒアの木や、その周辺は鳥を見つけやすい場所です。
アパパネやアマキヒ、エレパイオなどをよく見ますが、運がよければイイヴィも見ることができます。 イイヴィは、かなり大きな声で鳴くので、すぐに「イイヴィが来た!」と分かりますが、なかなか近くでは見ることができません。ここでも、木の上の方に小さく見える程度ですが、周囲が開けているので、曲がった嘴もすぐに確認できます。めったに見ることができない、と言われるハワイ・クリーパーも、この辺りで見かけました。
MAUNA LOA LOOKOUT
マウナ・ロア・ロードの終点は、ピクニックエリアになっています。簡易トイレとシェルター付きのテーブルもあります。 このピクニック・エリア付近からの眺めは、晴れていると大変素晴らしい。ボルケーノ国立公園を一望でき、海までも見渡せます。プウ・オオが煙をあげているところも、見ることができました。
しかし、この眺めは晴天の時ならでは。曇っていたり、雨が降っていたり、あるいはボグの時は、下界は真っ白に煙って、なにがなんだか分かりません。それはそれで、趣のある景色なのですが、やはり晴れている時に行きたいものです。
MAUNA LOA TRAIL
車で行けるのはここまでで、この先はマウナ・ロア・トレイルと名前を変えた、細いトレイル路になります。 この道は、名前の通りマウナ・ロアの山頂まで続いていますが、山頂まで20マイルも歩かなくてはいけません。でも、初めの少しだけを歩いてみました。
入口はコアの木が生い茂り、薄暗い感じがしますが、すぐに視界が開けてきました。 古いパホエホエ溶岩の上に、オヒアやママネなどの固有植物が所々で育っています。かなり大きくなった木もあり、アマキヒやアパパネがやってくるのを見ることができます。場所によっては、かなり近くで鳥を見ることの出来るポイントです。
さて、ジグザグに細いトレイルは続いていますが、石がごろごろしていて、少し歩きにくく感じます。足元の石がぐらつくこともあり、足をくじかないように注意しなくてはなりません。 ゆっくり20分ほど歩くと、動物避けのゲートの前に出るので、ここで引き返します。ここからマウナ・ロアへ登るには、国立公園で許可証をもらう必要があり、高所トレッキングに慣れた人でも、かなり大変な道だそう。 かなりハワイを歩いたつもりですが、この道を歩く日はたぶん来ないだろうなあ。この道を歩いて、マウナ・ロアに登頂した暁には、登山家を名乗っちゃうもんね。
マウナ・ロア・ロードでボグの日にバードウオッチをしていて、レンジャーさんに注意された(このレポートを参照)ように、この道はボルケーノ国立公園の管轄内のようです。 でも、何度も言いますが、この道はほとんどのレンタカー会社で保険が効きません。マウナ・ロア・ロードは、見通しが悪いのに、スピードを出して走る車もいるので、なかなか危ない。というわけで、素晴らしい景色を堪能でき、ハワイのミツスイがいっぱい見ることができる、オススメできない場所なのでした。
マウナ・ロア・ルックアウトから見たボルケーノ国立公園
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