OVER THE RAINBOW −May 2004−
2003年9月、オコレハオ・トレイルにチャレンジしました。 しかし、トレイルは伸び放題の草だらけ・・・どこに道があるのかも分かりません。 もしかしたら、トレイルはクローズしているのかも・・・と、諦めて戻ってきました。 2004年の春、ネットを検索していたらトレイル整備のボランティア募集の記事が。 「・・と、いうことは、トレイルはオープンしているんだ!」
「虹を越えて」
RAINBOW ノース・ショアへ向けてドライブしていると、進行方向左手に、大きな虹が見えました。 「ああっ!早く早く!今ならハナレイ・ルックアウトから虹が見られるかも」 ほんの1マイル足らずでハナレイ展望台です。すぐに車を駐車場に停めて、外にでました。 「おおっ!」 きれいな虹がハナレイのタロ畑にかかっています。よく見ると、ダブル・レインボウです。 「うーん、キレイだねえ」 「みんな車を停めて、虹をみればいいのに」 5分ほど写真を撮っていると、虹は消えていきました。 オコレハオトレイルは、この虹が出ていたハナレイのタロ畑の向こうにあります。虹が出ている、ということは、そこで雨が降っているということです。でも、虹を見ることに夢中で、そのことには気が付かない私たち・・・。 「さあ、虹を越えて出発だ!」
HANALEI NATIONAL WILDLIFE REFUGE ハナレイ展望台から見下ろす、ハナレイ・ワイルドライフ・レフュージュは、一般の立ち入りを禁止 しています。しかし、ハナレイ川をカヤックで登ることや、Ohiki Roadを車で通行することは許されています。 このオヒキ・ロード沿いに、小さな駐車スペースがありますが、車を停める場所はそこだけです。この一帯のタロ畑は私有地でもあり、地元の方の邪魔になるので、もしも駐車スペースがいっぱいなら、諦めて帰らなくてはいけません。 幸い、駐車スペースに車はありませんでした。この駐車スペースの道を挟んだ向かい側に、オコレハオ・トレイルの入り口があります。オヒキ・ロードに沿って、清んだ水の流れる用水路があるのですが、この水路を渡る橋が、トレイル入り口の目印です。
OKOLEHAO TRAIL オコレハオというのは、ティの根で作ったお酒のことです。昔、 密造酒を作るために、ここにティを植えたことが、トレイルの名前の由来ということです。 約半年前に、私たちが来た時は、橋の向こうは草深いまさにジャングルでした。1歩進むにも、草を掻き分けなくてはならず、ついには道を見失って、戻ってきたのです。 「おおっ!ちゃんと道が見える!」 「ああっ、こっちに曲るように道ができていたんだね!」
一ヶ月ほど前に、ボランティアのみなさんがトレイルの整備をしてくださったようです。昨年の秋にはびっしり生えていた草も、トレイルが見えるほどに刈り込まれていました。 「歩きやすい〜!ボランティアのみなさん、ありがとう!」 しばらく進むと、道は赤土の急な上り坂になりました。 「なぜ、道の真ん中が凹んでいるんだろう?」 赤土のトレイルでも、靴もドロドロにはならずに歩いていたのですが、何故か道には溝の様にギャップがあり、とても歩き難いのです。幅も深さも、ちょうど足をとられるのにグッド・サイズな溝は、ところどころ深くなっていて、ちょっと落とし穴の様にも見えます。
「歩きにくいなー」 溝を避けながら歩いていると、強い異臭がしました。 「ム、獣の匂い・・・!」 カウアイには野性の豚やヤギがいます。 「ガサッ」 「ぎゃっ」 「ぐわーっぐわーっ」 草むらから飛び出していったのは、カモのようでした。 「あああ、ごめんねー。驚かなくてもいいのに・・」 自分が驚いたことは棚にあげて、飛んでいくカモのツガイを見送りました。でも、ケモノ臭はカモたちのものとは思えません。 「豚に遭うのはイヤだなあ、見てみたい気もするけど・・」
虹の中へ 雨が降ってきました。先ほど虹が出ていたように、けしてお天気はよくないのです。
「どうしよう、結構強く降ってきちゃったよ」 「うーん、とりあえずあの鉄塔が立っているところまで行ってみよう」 鉄塔の下からは、ハナレイのタロ畑を一望に見下ろすことができました。遠くにハナレイ湾も見えます。 「絶景だけど、大雨だ〜」 しかたなく、トレイル脇のクックアイランド・パインの下で雨宿りとなりました。 10分くらい雨宿りしたでしょうか。やや小雨になってきました。 「登るのはもうダメだね、今のうちに降りよう」
トレイルからは、ハナレイ・ルックアウトが見えます。何人かの人が、カメラをこちらに向けていることまで、よくわかります。 「おーい、おーい」 手を振っても、こちらはたぶん見えないのでしょう。それに何故か向こうは雨が降っていない様子。
「今、向こうから見ると、ここに虹がでているんじゃ・・」 「つまり、まさに虹の中、っていうこと?」 虹が出ているかどうかは、展望台から見ている人に聞かないとわかりませんが、まだまだ降り続く雨の中を急いで下山します。 「ああああ、道が川になっている!」 「すべるよー、すべるよー」 あの溝は、雨の浸食でできたものだったのでしょう。急な坂は、つるつるのウォータースライダーのよう。 「すべる〜」 帰国後、ガイドブックを読んだところ「雨降りの時は、ハイキングはしないこと」と書いてありました。
虹の向こうに行くぞ・・・実際は虹の左手に見える山に登りました
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