HONEYCREEPERS PARADISE -May 2005−
最近、ハワイ旅行の計画に、まずは「バード・ウォッチング」を 組み込むようになってしまいました。 カウアイに行く時は、ミツスイに会いに、まずはコケエへ行かないとね。
「ミツスイ天国」
バードウォッチ・ルート
コケエでバードウォッチをする時は、朝早く、ワイメア・キャニオンをカララウ展望台まで、登っていくことにしています。ハワイと言っても、朝7時前後のコケエは、涼しいというより寒い感じです。長袖は必須アイテムでしょう。 駐車場に車を停めると、まずはカララウ展望台付近のレフアをチェックします。 特に展望台付近では、崖下から生えたオヒアが目の前に見えます。これは地面から高いところにある花を、ずっと見上げていなくてもいいので、大変見やすく、バードウォッチにお勧めな場所です。
ここで、しばらく粘っていると、アパパネがやってくることがあります。 カララウ展望台からプウオキラ展望台までは、現在(2005年)、車での通行が不可になっています(下の「※」を参照のこと)。
道は、カララウ展望台付近で、閉ざされていますが、もちろん徒歩では通行可能です。通行止めのゲートの脇から、入っていくことができます。 通行止めになった理由は、舗装路の状態が悪いため、という話を聞きますが、歩いてみる限りでは、特に問題はなさそうです。赤土のすべりやすいトレッキング路を歩くことを考えると、車が来ない舗装路を歩くのは、快適なハイキングとも言えるでしょう。
また、他のトレッキング路のように、足元に注意しなくていいため、上を見ていることの多い探鳥には、最適な道かもしれません。
緩い勾配のある道を、1マイルほど歩くと、プウオキラ展望台に着きます。プウオキラ展望台までは、普通に歩けば15分ほどです。でも、鳥を見ながら歩くと、30分かかっても着きません。 この場所でミツスイを見るには、春がいいと聞いています。5月後半でも、この道では、たくさんの鳥を見ることが出来ました。 プウオキラ展望台の先のピヘア・トレイルやアラカイ・ スワンプでは、ミツスイがたくさんいるのですが、体力勝負のこのトレイルにミツスイを探しに行かなくても、プウオキラ展望台の駐車場だった場所でもミツスイを見ることができます。 ただし、レフアがあまり咲いていない季節には、探しても探してもミツスイはいませんでした。
このルートは「ミツスイをよく見ることができる」と知られているため、バードウォッチャーによく会う場所です。 主にメインランドから来た彼らは、片手に双眼鏡を持っているため、すぐに「同じ趣味の人」と、分かります。彼らを見かけたら、情報交換をするために、なるべく話し掛けるようにしています が、みなさんとてもフレンドリーで、鳥図鑑を片手に、くわしく見かけた場所などを教えてくださいます。メインランドではみかけないミツスイの情報は、特に熱心にレクチャー。 「可愛らしい、ホワイト・アイも見かけたわ!ああ、あなたの国の鳥だったわね」 そうです、メジロ(ジャパニーズ・ホワイト・アイ)は、うちの近所にいっぱいいます。
このルートでみた鳥 アパパネは、かなり特徴のある鳴声なので、しばらくミツスイの探鳥をしていると、その声をすぐに覚えることができます。森の中を歩いていると、姿は見えなくてもアパパネの声はよく聞けるものです。 5月のこの時期、アパパネは番いで行動していることが、多いようでした。レフアの花を次々と飛び回っています。 アパパネは赤いので、割合見つけやすいミツスイです。でも、木の枝の天辺に留まっていることが多く、写真を撮るには遠かったり、逆光だったりでイマイチ。そのうえ、アパパネばかり見つけていると 「また、アパパネだよ」などと、贅沢な会話になってしまって、ついには 「先を急ごう」などと言ってしまったり・・・・。
KAUA'I 'ELEPAIO 道を歩きながらも、周辺の森の中を注意して見ていると、木々の間を飛び回っているカウアイ・エレパイオをみつけることがあります。 カウアイ・エレパイオは、オリーブグリーンとオレンジの羽なので、木にカモフラージュされてしまいます。ちょっと見つけ難いので、動体視力を働かせることが、みつけるコツかも しれません。でも、舗装路から木々の間をよく見ていると、目の高さ位の枝に留まっていたりします。 アパパネよりも、実は間近に観察ができるハワイ固有種の鳥なようです。
'ANIANIAU 赤いアパパネも、目立つのですが、黄色いミツスイも、たいへん見つけやすい。 でも、なかなか黄色いミツスイに、出会えませんでした。だから、プウオキラ展望台の駐車場で、黄色い鳥が飛ぶのを見つけたときは、大喜び! それは、ハワイに現存する最小のミツスイ、アニアニアウでした。 木の枝に付いた、虫か虫の卵のようなものを食べるのに夢中で、かなり近くにいる私たちのことは、あまり気にならないよう。日本でも、この距離で野鳥を観察できることは、ほとんどないので、大変満足です。満足のあまり「今日のミツスイ観察は終り」に、してしまいました。
CARDINAL さて、コケエのこの場所では、見かける赤い鳥は、必ずアパパネなどのミツスイだ、と思い込んでいました。ところが、カララウ展望台には、人懐っこいブラジリアン・カーディナルがいて、展望台にやってくる人を覗きに来ているところを、何度も見かけてしまいました。まだノーザン・カーディナルを見たことはないのですが、コケエでも赤い鳥全部がミツスイというわけではなさそうです。逆に、海抜の低い 、ビーチ近くなどで見かける赤い鳥は、絶対ミツスイではないのですが・・・。
NENE カララウ展望台の駐車場に「ネネ注意」の標識があるように、駐車場付近でネネをみかけることが多いです。 ネネは、とてもくいしんぼうなので、観光客がくれる食べ物を目当てに、やってくるようです。 最近、展望台付近でネネに会わなくなったのは、餌付け禁止が徹底されてきたからだといいのですが。
プウオキラ展望台付近で、巣立ったばかりのメジロをみつけました。 まだ、うまく飛べないヒナたちは、ママのメジロに「エサエサエサ」とアピールしていました。ママメジロが心配すると可哀想なので、すぐにメジロファミリーから離れましたが、メジロはコケエでも繁殖しているようです。 メジロも花のミツを吸い、小さな虫を食べるので、ハワイのミツスイたちと生息地が重なってしまうようです。ハワイのミツスイにとって天敵の蚊も、メジロは大丈夫そうだし、ミツスイにとっては、困った外来種なのかもしれません。
HWAMEI 日本ではガビチョウと呼ばれるこの鳥は、中国からの外来種。日本でも繁殖し、日本の野鳥をハラスしていることが知られています。 カララウ展望台で、見かけたときもアパパネを追い掛け回していました。 カララウ展望台からプウオキラ展望台までの道は、バードウォッチャーにとっては、ミツスイをたくさん見ることが出来るパラダイスですが、ミツスイたちにとっては必ずしもパラダイスではなくなっているのかもしれません。
※2007年秋に、カララウ展望台〜プウオキラ展望台の道が開通しました。 このレポートを書いた当時のように、この道を歩いてバードウオッチをすることは、難しくなりました。 私見ですが、道が開通して以降、この付近でのミツスイを見かける機会が、だんだん減ってきたように思います。 2009年5月には、ほとんどミツスイはいませんでした。 これは、2009年5月に、この付近でレフアがほとんど咲いていなかったことが原因かもしれません。 それにしても、かなりがっかりな状況でした、ハア(←タメイキ)。
|